
最近、「ChatGPTで会社名を調べても出てこない」といった相談を受けることが増えてきました。
実際に調べてみると、若い世代を中心に、Googleなどで検索する前にChatGPTで質問している人が多いことが分かります。つまり、検索結果で上位を取るだけでは、見込み客の目に触れにくくなってきているのです。
この流れの中で注目されているのが「LLMO(Large Language Model Optimization)」という考え方です。
要するに、ChatGPTのようなAIに「信頼できる情報源」として自社のホームページが参照されるようにする取り組みです。検索対策(SEO)とはまた別の角度から、情報の届け方を見直す必要が出てきました。
Google検索でもAI Overviewが2024年8月に開始され、検索結果の一番上にAIによる要約が出てくるようになっています。

AI Overviewの結果もどこかのホームページから引用されていることが多いため、ここに引用されると多くのトラフィックが期待できます。
今後、GoogleのAIモードが日本でも開始するはずなので、ますますLLMOの重要性が増してくるでしょう。
なぜLLMOが必要なのか?
今の生成AIは、過去のウェブ上の情報をもとに回答を組み立てています。
ChatGPTに「札幌でおすすめのホームページ制作会社は?」と聞いても、具体的な会社名が出ることはほとんどありません。
これは、多くの会社の情報がAIにとって「使いやすく整理されていない」ことが原因です。
逆に、FAQ形式で情報をまとめていたり、サービス内容を簡潔かつ分かりやすく説明しているサイトは、AIに引用される可能性が高まることが分かってきました。
つまり、読み手だけでなくAIにも理解されやすい構成が求められているわけです。

今のところ、OpenAIのChatGPTとGoogle Geminiの対策が必要でしょうか…

SEOとの違いと重なる部分
これまで行ってきたSEO対策も引き続き重要です。というのも、検索エンジンから高評価を得ているページほど、AIからも引用されやすい傾向があるからです。
ただし、SEOが人間の検索行動に最適化するものだったのに対し、LLMOはAIの「読み取りやすさ」にも配慮した対策が求められます。
具体的には、結論を先に書く、専門用語を簡潔に説明する、情報を箇条書きで整理するなど、構成や表現の工夫が大切です。
ホームページ制作会社が今できること
まず取り組みやすいのは、「よくある質問」のページを見直すことです。
サービス内容や料金、制作期間など、問い合わせが多い内容をFAQ形式で整理し、簡潔に回答するだけでもAIに拾われやすくなります。
次に、構造化データ(FAQ構造など)を設定するのも効果的です。
WordPressを使っている場合は、専用のプラグインを使えば比較的簡単に実装できます。
また、自社の信頼性を裏付ける情報も積極的に載せましょう。

AIも引用するためには出典元の信頼性を重要しています。
制作実績や受賞歴、実際の事例紹介、専門知識の発信など、「この会社は信頼できる」と判断してもらえる材料を増やすことが、AIからの引用にもつながります。
これからの情報発信の考え方(まとめ)
これまでの「検索順位を上げる」ことに加えて、「AIに選ばれる」ことが、今後の情報発信の新たな目的になります。
もちろんすぐに大きな変化を求める必要はありません。
まずは、サイト内の情報の整理やFAQページの強化など、小さな改善から始めていくことが大切です。

生成AIの影響は、単なる技術トレンドにとどまりませんので注視していきましょう。
私たち制作会社にとっては、クライアントのビジネスを届ける手段が一つ増えたということ。
これを前向きに捉えて、いち早く対応していくことが、他社との差別化にもつながっていくはずです。